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豪快な博徒釣り師の武勇伝!

2014年7月 4日(金)

博徒親父をイメージした荒々しい磯の波

今回は、私が若いころ磯釣りにのめり込んだばかりで、月4~5回は必ず釣りに行っていた時代のとあるお客様のお話です。


時々一緒に釣行に行く仲の良い面白い親父。
職業は博打打ちで、ひねりも何もない「博徒」というアダ名を仲間から付けられていました。

板前から超一流の博徒と生き方を180度方向転換したことで、妻とは離婚。子供ももちろん奥さんの元へ。

その後、お金持ちで家庭を持つ女性と駆け落ちし、二人で麻雀店を経営していました。

この親父、高知の麻雀界では知る人ぞ知る、お城下では向かうところ敵なし!
地元ではちょっとした有名雀師でした。

会う度に威勢よく「たまには俺の所に遊ぶにこいや~可愛がっちゃおぞ!」と言われ、また冗談で「俺もお前の店で買いゆやろうが~たまには遊べ!」と、よく誘ってもらってました。

麻雀の風景

そんな博打親父がいつも口癖のようにいつも豪快に言い放っていた
「博打打ちはな、心はまっすぐ、曲がったことは絶対にせんし、したのを見たら絶対許さん。これが真の博徒や!」
というこの言葉が今でも印象に残っているのです。

釣倶楽部も大会のある時はほとんど参加。
もちろん必死になって優劣を競いますが、彼の勝負はこれだけにとどまらず、大会以外でも数名で釣ったグレの大きさ比べで現金を賭けての一本勝負!

この豪快な性格は釣り方にまで顕著にあらわれていて、使う仕掛けも道糸が5号以上、ハリス4~5号で針も8~10号と、今では考えられないほどの太仕掛けが基本。
さらに、魚を掛ければタモなど使わずカツオの一本釣りのように豪快に抜き上げるなど、今の主流の釣り方とはまったく真逆の釣り方で我が道を行く完全我流の釣り師でした。

特に本流釣りが十八番で、潮が早い磯が大好き、その代わり際釣りがみみっちいからと磯際での釣りを嫌い、堅実に喰いを狙いに行く私たちに対して
「おまんらぁ足元ばぁ(足元ばかり)見て・・・地球をこするな~!!ちったぁ(少しは)広い海見ぃや!!」
 と、檄を飛ばす。今思えば、この言葉も何度言われたか分からないくらいに聞いていたので、ひょっとすると口癖だったのかもしれません(笑

私達と博徒親父は仕掛けの太さがまったく違うので、数釣りではどうしても私たちが有利です。
それはご自身がもっとも理解していたようですが、釣り方を変えるというようなことは一切せずに、一心不乱に自己流をとことん貫く一本気な性格。

理屈が嫌いで釣り雑誌を見たり、グレ釣りの研究など一切しない。
常に自分のカンを頼りに伸るか反るかの大勝負しか狙わない・・・それでも、三回に一回は必ず博徒親父の大勝ちをするのですから驚きです。
釣り自体はそれほど上手いわけではなかったとは思いますが、潮を見る目が備わっていたのは確かで、何より海が好きで魚との一騎打ちで引っ張り合う釣りが大好き、そして負けず嫌いの根っからの博打うちのその性格が勝利を呼び寄せているのでしょうか。

ここ一番の勝負どころになると、博徒の血が騒ぐのか本当に勝負強かったあの博徒親父・・・。
今でもふいに蘇る懐かしい思い出です。

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