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はじめての磯竿の選び方 (2)

2014年3月 8日(土)

はじめての磯竿の選び方 (2)

先調子と胴調子

竿の調子というのは、竿の曲がる支点のことを指し、また竿の重心の目安にもなります。決して自重が軽いからといって、振り出しても軽いとは限りません(後述するモーメント指数とはをご参照下さい)。
最近の磯竿の支点のバランスを元:先の比率で表すとすると、7:36:4で表現しますが、7:3程度のものを「先調子」、6:4(最近では5.5:4.5)程度のものを一般的に「胴調子」と呼びます。
持ち重りについては、7:3の先調子気味の竿の方がシャッキとしていて、持ち重りも少なく、軽く感じられます。

また、近年の製品はカーボンの素材自体も、加工の技術も進化し、振り調子は先調子のようにシャキっとしていて扱いやすく、いざ魚を掛けると元竿付近からグッと曲がり込む胴調子のような釣り味をもった竿が登場しております。

その反面、中には先調子ではやたら硬いだけで、竿の力に反発ばかりする竿。胴調子では逆に浮かせる反発力のないただ柔らかいだけの、主導権を完全に魚に奪われてしまうような竿も存在するため、竿を生産しているメーカーや、竿の価格帯などにも注意が必要です。

■先調子の竿の再現
■胴調子の竿の再現

上の画像は、「先調子」の竿と、「胴調子」の竿の曲がり具合を実際の磯竿の穂先を使って再現してみたものです。
画像を見比べると、曲線の支点がそれぞれ違う事がお分かり頂けるかと思います。 先調子の竿は、弧を描く支点が竿の先端側に来るため、振るとシャキッとした硬い印象を感じるかと思います。 また胴調子の竿は、竿全体は柔らかい印象を持ち、魚を掛けた時には、竿全体でその力を受け止めるため、力が竿の元付近に乗り、元竿付近から思い切り曲がりこみますが、竿自身の弾性によって魚をグッと浮かせて獲る構造になっています。

モーメント指数とは

また、がまかつの磯竿にはモーメントという竿のトルクや持ち重り指数を表した数値「モーメント指数」が、必ずカタログ上に表記されています。 この値は、竿の重さ(kg)×竿尻から重心までの長さ(cm)によって導き出す事ができ、この値が低いほど持った時に重心が手元へと来るため、持ち重りがせず、手返しのしやすい竿となります。

一般的には重量の軽いものに目が行きがちですが、竿を選ぶ際はがま磯の磯竿の場合、モーメントの表記を目安に、モーメントの記載のない他メーカーの製品については実際に手に持ち、振り調子を実際に確かめて、検討されると良いかと思います。

竿の限界点を知る

ロッドは限界まで力が掛かった状態になることで、はじめて本来の力が発揮されます。
それは、まるで弾力のあるゴムのように曲がったり戻ったりしながら魚とのやり取りを繰り返し、道糸やハリスの伸び、釣り針の力などのタックル持っている力を最大限に活かすことで、細いラインでも切れることなく大物を獲ることができるのです。
そして、その限界点は魚とのやり取り、それも良型以上のトルクフルな魚との勝負でないとはっきりと感じることが出来ません。

こればかりは一朝一夕で覚えられるものではありませんが、何度も自然と向かい合い、実釣の中で、魚とのやり取りを繰り返す中で、はじめてその限界が見え、竿本来の扱い方や、竿を労りながらも魚を確実に浮かせるテクニックやノウハウが自然と身についてくるものです。
きっと、その過程の中で大物の対峙出来る機会も確実に巡ってくるはず。

磯釣りの、それも大物とのやり取りでしか味わえないスリル、そしてそれを制した時の喜びはもちろんのことながら、実釣を重ねるごとに、自身で感じる気づきや上達の過程を存分に愉しんでいただくためにも、磯竿はご自身の納得のいくまでじっくり吟味しお選び頂ければ幸いです。

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